男性の更年期に多い症状|「血管運動神経症状」の原因と対処法
更年期の男性に多い「頭痛」症状
若い頃から片頭痛や緊張型頭痛を経験している人は、更年期に入ると痛みが強くなったり、痛みを感じる時間が長くなったりします。
■ 脈と同調するようにズキンズキンと痛む
■ 光や音が過敏に感じられる
更年期の男性にみえる「頭痛」原因
更年期の片頭痛の原因は、テストステロンの減少が明らかな誘因となっており、アルコールやカフェインの摂取、睡眠不足も原因の1つと考えられています。
また、長時間同じ姿勢をとることによる血流の低下や疲労の蓄積が原因になることもあり、頭痛はデスクワークをしている人に多い症状です。
あきらかに悪化していると感じるときは専門医に相談してください。
更年期男性の「頭痛」への対処法
□ 頭痛の予兆があれば体を軽く動かす
□ 頭痛が起きたら椅子に座ったり横になったりして安静にする
片頭痛と緊張型頭痛の違い
片頭痛 | 緊張型頭痛 |
脈に合わせるような強い痛み | 頭全体が締め付けられるような痛み |
頭痛の前にチカチカした光が見える | 肩や首なども一緒に痛くなる |
体を動かすと頭痛がひどくなる | めまいを伴い、フラフラする |
冷やすと楽になる | 温めると楽になる |
片頭痛は冷やして緊張型頭痛は温めて
更年期の片頭痛はホルモンバランスが乱れて、頭蓋骨内の血管が広がり炎症を起こした場合に起こることが多いので、傷む場所を冷やして安静にします。
一方、緊張型頭痛は長時間のデスクワークや車の運転など同じ姿勢を続けたことによって、血行が悪くなり首や頭の筋肉が緊張することで起こります。
そのため、首や肩周辺を温めて血のめぐりを良くしてあげれば痛みは和らぐのです。
更年期の男性に多い「火照り・のぼせ」症状
更年期に起こる火照りやのぼせは「ホットフラッシュ」とよばれる症状です。
女性のホットフラッシュはよく知られていますが、男性でも更年期に入るとホットフラッシュが起こります。
■ 顔から始まり、頭や胸も熱くなる
■ 風呂から出て涼しいところへ行っても火照りが治まらない
■ 脈拍が増加する/心臓がドキドキする
更年期の男性にみえる「火照り・のぼせ」原因
更年期のホットフラッシュの原因は、テストステロンの分泌が減少して血管の収縮や拡張をコントロールしている自律神経が乱れることで起こります。
ホットフラッシュは怒りなどのストレス、運動、ドライヤーなどがトリガーになることもあり、急に引き起こるため予期することが難しい症状です。
更年期男性の「火照り・のぼせ」への対処法
□ 涼しい場所に移動し、冷たいタオルや保冷剤を使ってクールダウンする
□ 冷たい飲みものなどを摂って落ち着く
洋服は通気性の良いものを選び、涼しめの部屋でリラックスしながら過ごしましょう。
また、心的要因が大きく関わってくるため、ストレスをためない生活を心がけることも大切です。
ホットフラッシュが起こったら、ゆっくり深呼吸を行い、衣服をゆるめて、心を解放させるイメージを描いてください。
他人が理解しづらい症状なので、事前に家族と話し合っておくのも必要でしょう。
更年期の男性に多い「発汗」症状
ホットフラッシュと同時に起こることもありますが、暑さを感じないときに発汗するのは更年期障害の特徴です。
■ 目覚めるとパジャマやシーツが濡れている
■ 暑くて夜中に目が覚める
更年期の男性にみえる「発汗」原因
汗が異常に出る症状は、男性ホルモンのテストステロンが減少することにより自律神経が乱れて体温調節機能が乱れることで引き起こされます。
また、ストレスの増加や生活の乱れなどによって症状がひどくなる場合があるので注意が必要です。
更年期男性の「発汗」への対処法
□ 水や経口補給液などで水分補給をする
□ 発汗が続くからといって不安や心配をし過ぎない
就寝前には入浴や読書、簡単なストレッチなどをして体をリラックス状態に導くことで快適な睡眠を得られるようになります。
さらに、明日のスケジュールや悩み事、嫌な出来事などを考えるのは厳禁です。
寝室は真っ暗にするのではなく、間接照明などを利用して快眠できる空間を作るのも有効でしょう。
寝汗そのものの対策としては、吸収性の良いタオルやベッドパットを敷いて、体に汗や熱がこもらないようにしてください。
更年期の男性に多い「動悸・息切れ」症状
激しく体を動かしたわけでもないのに突然胸がドキドキして、呼吸がしづらくなるのも更年期障害の症状です。
■ 睡眠中に胸がドキドキして飛び起きる
■ 少し歩いただけで息切れする
更年期の男性にみえる「動悸・息切れ」原因
更年期の動悸・息切れの原因は、自律神経のバランスが崩れることによる視床下部のパニックです。
拍動や呼吸などをコントロールしている自律神経は視床下部の指令下にあるので、自律神経が乱れると中枢である視床下部が混乱して動悸や息切れを引き起こします。
若い頃の感覚で「このくらい平気」と、無理をして体を動かすと心臓に負荷がかかり動悸や息切れを引き起こすこともあります。
更年期男性の「動悸・息切れ」への対処法
□ 室温を調節して、心地いい空間で安静にする
□ 怒りやイライラなどの感情を抑える
動悸や息切れを感じたら、まずは、ゆっくりと時間をかけて深呼吸をしましょう。
その際、腹式呼吸を心がけ、リラックスして呼吸を整えます。
急に動悸や息切れが始まることもありますが、怒りなどが動悸や息切れのきっかけになることもあるので、その場合は感情を抑えることも必要になります。
また、動悸や息切れの症状が多いときには、更年期障害の症状ではなく別の病気の可能性もあるので、専門医へ相談するのも大切です。
男性の更年期に多い「血管運動神経症状」の改善法は
サプリメント・漢方で男性の更年期をケア
亜鉛が体内に十分にあることで、精神安定や脳の機能を高め、血行不良などの緩和に効果があると考えられています。
亜鉛は、体内の骨格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓などに必要な栄養素で、主に、タンパク質の合成に関わる酵素の材料として使われます。
そして、体内のビタミンAの代謝を促しながら抗酸化作用の活性化を促進して、過酸化脂質の害を防ぐんです。
その結果、アンチエイジング・生活習慣病予防にも効果が期待できるといわれています。
まさに、亜鉛は血管を老けさせない栄養素!
その一方、体に蓄積しにくい栄養素としても亜鉛は有名です。
亜鉛は自分で作れない
亜鉛は体内で作り出すことができないため、食事から摂取する必要があるんです。
しかし、豚レバーや牡蠣、ウナギなどに多く含まれているため、毎日の食事で摂取するのは難しいですよね。
だから、亜鉛はサプリメントで確実に摂取したい栄養素なのです。
「血管運動神経症状」の緩和には「亜鉛」を摂取して、神経伝達物質を正常に戻すことを目指しましょう。
ストレス解消で男性の更年期をケア
男性はストレスを直感的に受け止めたまま、ためてしまうことが多くなり、精神的に疲れてしまうことも多くなります。
そのストレスは、テストステロンの分泌を悪くして、血流の低下や自律神経の乱れを引き起こしてしまうのです。
自分に合ったストレス解消法を見つけて、楽しく日常を送りましょう。
LOH症候群の症状を自己判断するのは難しいため、ツライ症状が出たら男性更年期専門の医師に相談してください。