更年期になると、多くの人が「太りやすくなった」と感じます。
「食事や運動量は今までと変わらないのに太った」と、悩む人は多いでしょう。
更年期に太るポイントは、「生活スタイルは変わらない」という所にあります。
それどころか「今までと同じだから太る」と言っても過言ではありません。
ここでは、更年期に太る理由を紹介していきます。
更年期に太りやすくなる3つの理由
更年期になって太る理由は、基礎代謝と運動機能の低下、そして性ホルモンのバランスが関係しています。
この3つによって、今までと同じ生活をしていても格段に太りやすくなるのです。
更年期に太りやすくなる3つの理由
2. 運動機能が低下するから
3. 男性/女性ホルモンが減少するから
以下で詳しく見てみましょう。
更年期に太りやすくなるのは基礎代謝が低下するから
更年期世代が太りやすくなる要因の1つに「基礎代謝が低下する」ことがあげられます。
基礎代謝とは、心臓や呼吸、体温維持など無意識に行っている最低限必要なエネルギーのことをいいます。
この「生きているだけで消費されるエネルギー」は、1日のうちに消費するエネルギーの約60~70%もありますが、10代をピークにドンドン減少していきます。
基礎代謝が減少する理由
・運動不足や無理なダイエット、加齢などでエネルギーを消費する筋肉が減少する
この2つが大きな理由となり、基礎代謝が低下して、更年期になると太りやすくなるのです。
更年期に太りやすくなるのは運動機能が低下するから
年齢を重ねると、運動機能が低下するので、太りやすくなります。
運動機能とは体を動かす機能のことで、性別や日常活動の程度などにもよりますが、ほとんどの人は年齢とともに低下していきます。
運動機能は脳や脊髄、末梢神経、関節、骨、などの組織に働きかけて運動を起こす能力ですが、なかでも低下を実感しやすいのは「筋力」でしょう。
筋力が低下する原因
・ 骨格筋量と筋繊維数が委縮する
筋力は30歳をピークに減少していき、加齢とともにその低下は激しくなり、60歳を超えると筋力の減少率は加速します。
更年期は日常生活で筋力を使わなくなる
仕事 : 外回りの機会が少なくなる
家事 : 効率の良いパターンが見つかる
付き合い : 生活範囲が狭まる / 旅行の機会が減る
育児 : 子どもが育ち、乳幼児の世話や遊び相手の機会が減る
など、日常生活のほかにも金銭的な問題や社会活動の影響で、行動する機会が減るケースがあるでしょう。
行動の機会が減ることで、筋力を使う場面が減り、筋力 / 筋量が低下していくのです。
更年期は骨格筋量と筋繊維数が委縮する
加齢に伴って内分泌系の変化が生じ、骨格筋量は減少し、筋繊維数も委縮しやすくなり、筋肉量が低下します。
簡単にいうと、筋力と筋量を調整する司令塔 や体内工場が加齢により劣化するので、骨格筋量と筋繊維数が委縮してしまうのです。
もちろん個人差はありますが、成人の筋肉の重量は体重のおよそ40%となっており、10年間でおよそ6%ずつ筋肉の重量は低下していきます。
さらに、筋線維一本一本が細くなるばかりでなく、筋線維も消失していきます。
このような、加齢に伴って生じる全身の筋力低下は「サルコペニア(sarcopenia)」と呼ばれ、国際疾病分類では疾病のひとつに分類されているほどです。
更年期に太りやすくなるのは男性・女性ホルモンが減少するから
男性/女性ホルモンが減少する更年期は、太りやすく痩せにくくなります。
男性ホルモンの一種である「テストステロン」は、骨や筋肉を作りあげ、体脂肪を減らしていく働きがあります。
つまり、筋肉の量や代謝を保つ働きをするのが男性ホルモンです。
女性ホルモンの一種である「エストロゲン」は、コレステロールを適切に調節し、脂肪の燃焼を促す働きがあります。
これは、悪玉コレステロールの上昇を抑えて、内蔵脂肪を付きにくくするのが女性ホルモンということです。
更年期になると、男性も女性も性ホルモンの分泌が低下するため、皮下脂肪だけでなく内臓脂肪も付きやすくなるということです。
更年期は3つの機能が低下するから太る
更年期に太るのは、若い頃と比べて体のいろいろな機能が低下することが理由です。
その中でも、以下の3つは健康リスクが上がることもあります。
・ 運動機能が低下する
・ 男性/女性ホルモンが減少する
そして、老化へと進行していき、体全体への不調に繋がっていく可能性も高くなります。
そのため、更年期のうちに改善・解消しておいた方が、今後の体のために安心です。
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