50代は不眠に悩む世代! 原因を見極める
眠れない原因は千差万別ですが、主な理由は6つです。
身体的要因 | うつ病 |
薬理学的原因 | ストレス |
環境的原因 | 更年期障害 |
専門医に相談したい不眠の原因
身体的要因
外傷やリウマチなどの痛みを伴う疾患、湿疹やじんましんなどのかゆみを伴う疾患、ぜんそく発作や頻尿、花粉症などの病気や症状が原因で不眠になります。
うつ病
精神や神経の病は不眠を伴うことが多く、とくに「うつ病」にかかっている人は不眠症状が出やすくなります。
薬理学的原因
アルコールやカフェイン、ニコチンなどは睡眠障害の原因になりやすいのは知られていますが、服用している薬にも副作用で睡眠障害が出ることがあります。
セルフケアで改善したい!眠れない原因
ストレス
人間関係のトラブルや仕事の問題、心配事などが重なって心理的に負担がかかるとストレスがたまって眠れなくなります。
環境的原因
近所の騒音や居心地の悪い寝室環境、勤務シフトによる生活リズムの乱れ、海外から帰国した際の時差ボケなど眠りを妨げる要因があると眠りづらくなります。
更年期障害
加齢によって眠る力が衰えることで不眠症状が出ることがあります。
身体的要因やうつ病、服用している薬が原因で眠れない人は、専門医に不眠症状を相談してください。
ストレスや環境、更年期障害で不眠の場合は、その原因によって対処していく必要がありますので、まずは睡眠のメカニズムから見てみましょう。
睡眠のメカニズム|寝る力を取り戻そう
体を動かすには体力、睡眠するには睡眠力を鍛えなければなりません。
睡眠力とは眠る力!
「布団に入っても2時間は眠れない」「夜中に目が覚める」「熟睡できなかった」「目覚ましより1時間も早く起きてしまう」といった睡眠トラブルは、誰もが1度は経験していることです。
子どもの頃は、「昼寝しすぎた」「遠足が楽しみで寝れない」「旅行で興奮して朝早く目が覚めた」なんてことが理由だったとしても、50代になるとそんな理由で睡眠に障害が起こることはめったにありません。
「一日、忙しかったのに眠れない」「疲れているのに熟睡できない」「睡眠途中で何度も目が覚める」というのは、睡眠力が衰えている証拠なのです。
メラトニンが睡眠を誘う
人は体内時計によって覚醒と睡眠を切り替えています。
体内時計は朝の目覚めから14~16時間程度経過すると「寝る時間だよ」と脳の松果体へ指令を出し、松果体は徐々にメラトニンを分泌し始めるのです。
メラトニンは「睡眠ホルモン」ともいわれており、深部体温を低下させて休息に適した状態に導く作用を持っています。
さらに、抗酸化作用によって細胞の新陳代謝を促したり、疲れを取ってたり、病気の予防や老化防止など、さまざまな効果を持つと考えられているホルモンです。
睡眠力は加齢で衰える
年齢を重ねると筋肉が落ちて体力が衰えるように睡眠力も衰えます。
その理由は、睡眠する力を司る「睡眠中枢」が加齢によって衰え、メラトニンの分泌を減少させてしまうからです。
メラトニンの分泌は10代でピークを迎え、その後緩やかに低下していきます。
個人差はありますが、10歳のころのメラトニン分泌量が130pg/ml程度とすると、50歳では20pg/ml程度しか分泌されません。
メラトニンの分泌量は睡眠時間にも影響しており、10歳ころの平均睡眠時間は10時間であるのに対し、50歳頃になると平均睡眠時間は6時間以下に減っていきます。
このように「メラトニンの分泌量=寝る力」は、加齢によって減少していくのです。
睡眠の質を高めて不眠を解消する
ストレスや環境、更年期障害で眠れない場合は、その原因を突き止めて解消してあげないと心地よい睡眠を得られません。
ストレスは睡眠の大敵!
50代になると「ストレスで眠れない」という人が増えてきます。
不眠が続くとうつ病のリスクが高まり、うつ病になると不眠症状が重くなるという悪循環に陥ることがあります。
そうなる前に、ストレスを上手く解消してあげましょう。
自分が自由になる時間を作る
入浴や音楽、読書、運動などを楽しむ時間「自分時間」を手に入れることが大切です。
最近では「ストレスを解消して人生を豊かに!」と謳われることが多くなっていますが、50代になるとストレスを解消する時間が取れないことがあります。
仕事や家族サービス、家事などの時間の中でストレスを解消しようと思っても難しいので、多少強引でも「有給を取る」「家族には仕事と言っておく」などの手段をとるのもやむを得ません。
時間が取れたらパソコンやスマホなどは見ずに、コーヒーやアルコールなどの刺激物を避けて、リラックスタイムを謳歌しましょう。
環境改善をして睡眠の質を高める
近所の騒音や居心地の悪い寝室環境などは、引越しをして改善できればいいのですが現実的な解決法ではありませんよね。
その場合は、遮音カーテンや耳栓などを活用して寝室の環境を変えていく方法が手軽です。
また、勤務シフトによる生活リズムの乱れ、海外から帰国した際の時差ボケなど眠りを妨げる要因がある場合は、専門医に相談して一時的に睡眠導入剤を使うという手段もあります。
更年期障害による不眠は無理に眠ろうとしない
男性の更年期障害は男性ホルモンの代表「テストステロン」の減少が原因です。
テストステロンを自然に増やすことは難しいので、サプリメントなどで更年期障害を緩和していくのがいいでしょう。
そのテストステロンは睡眠中に分泌されるので、睡眠の質を上げてよく眠ることが大切です。
しかし、「更年期障害の症状で眠れないからテストステロンを分泌できない」という人もいます。
この場合、不眠のループに陥ってしまうので、いくつかのステップを踏んで改善しくいくのがおすすめです。
2.サプリなどで更年期障害の症状を緩和する
3.寝室環境や睡眠グッズを見直す
1.無理に眠ろうとしない
「明日は仕事だから早く寝なきゃ」と焦る気持ちは、ストレスがつのって眠りの障害になります。
また、仕事内容などを思い出したり明日することなどを考えると、頭が覚醒して眠れなくなることもあるでしょう。
できるだけリラックスした状態を保ち、体を布団に預けるように力を抜いて、目をつぶっているだけでも多少の疲労は回復します。
大切なのは、無理に眠ろうとしないことです。
2.サプリなどで更年期障害の症状を緩和する
マカなどのサプリメントは、ホルモンバランスや自律神経を整える効果があることから、男性の更年期障害の症状緩和に役立ちます。
徐々に体調を調整しながら、睡眠力を取り戻していくことができるでしょう。
3.寝室環境や睡眠グッズを見直す
枕や布団、シーツなどは季節ごとに見直すことが大切です。
■ 春・秋は厚掛け
■ 冬は薄掛け+厚掛け
といった組み合わせで、湿度や温度に合ったものを選んでください。
更年期障害の症状による不眠や途中覚醒、眠りにつくまで時間がかかるなどの状態になったときは、睡眠前の行動や寝室環境などを見直してみましょう。