女性の更年期は体が変わるとき
女性の更年期は、45~55歳前後だといわれています。
更年期の「更」という字には「変わる」という意味があり、女性でいうと「閉経準備から閉経、そして閉経後」といった体が大きく変わる期間を指します。
早い人では30代後半から更年期障害の症状を感じる人もいますが、更年期障害のツラさを最も多く味わう年代は50歳前後です。
■ 急にカーっと顔が熱くなった
■ イライラしやすくなり、不安感も募る
■ 買い物中に動悸が激しくなり怖くなった
■ 疲れやすくなり朝からダルさが抜けない
など、「今までとは違う」「普段と感覚がおかしい」といった体の変化を覚えるのが更年期なのです。
女性に更年期障害の症状が出る理由
女性に更年期障害の症状が出る理由は、女性ホルモンの減少によりホルモンバランスが崩れ、自律神経が乱れるからです。
女性ホルモンは「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、この2つが周期的に分泌されているので女性に月経が起こります。
その女性ホルモンは卵巣から分泌されますが、年齢と共に分泌量が変化していきます。
個人差はありますが、一般的に10~16歳で初潮を経験し、性成熟期に向かって女性ホルモンが増えていき、17~40歳で女性ホルモンは安定します。
性成熟期とよばれる17~40歳の期間は比較的女性ホルモンは安定するといわれていますが、生理不順などの月経トラブルや妊娠や出産で女性ホルモン量が変化する場合もあるでしょう。
しかし、更年期に入った女性の女性ホルモン量バランスと比べたら、その変化は微量です。
そして、40代前半から卵巣の働きは衰え、50歳で女性ホルモンの分泌がほとんどなくなり、その後閉経を迎えます。
上の表を見て分かる通り、50代で閉経を迎えると女性ホルモン量は初経前とほとんど一緒です。
こんなに変化が激しければ、体に変化があらわれるのは当然ですよね。
女性の更年期サイン|月経の変化は見逃すな!
更年期に入る年齢は個人差があるので、月経で体の変化をはかるのがいいでしょう。
月経期間 / 4~7日
月経周期 / 月経が始まった日から次の月経が始まるまでの間隔が25~38日
「過長月経」 8日以上
月経周期 /「頻発月経」
月経が始まった日から次の月経が始まるまでの間隔が24日以下
「稀発月経」
月経が始まった日から次の月経が始まるまでの間隔が39日以上
女性の更年期|閉経へ至る道
閉経とは、最後の月経から1年以上月経が無いと「閉経」と判断されます。
↓
閉経準備期間
■ 月経期間が短くなる 「過短月経」月経期間が2日以下
■ 月経周期が長くなる 「稀発月経」月経と月経の間が39日以上
など
※ この時点で更年期が始まります
↓
閉経
最後の月経から1年以上月経が無い状態
日本人の平均閉経年齢は50~52歳ですが、病気などで30代後半で閉経する人もいるので正確な判断は医師に任せた方がいいでしょう。
女性の更年期時期は心も体も不安定になる
更年期になると心も体も不安定になります。
その理由は、女性ホルモンの減少によってホルモンバランスが崩れるからです。
女性ホルモンの役割
女性ホルモンは卵巣から分泌され、体を守る働きをするホルモンです。
主な役割は受精卵のベッドとなる子宮内膜を厚くする働きや、赤ちゃんが育ちやすい子宮環境を整える役割ですが、乳房の発達を促進させたり、皮膚や骨、筋肉、脳、自律神経などを強く正常に保つ仕事もしています。
女性ホルモンが減少すると
更年期に入って女性ホルモンが減少すると、今まで女性ホルモンに守られていた体に不調があらわれます。
■ 筋肉や代謝が落ちて太りやすくなる
■ 肌のツヤ・ハリが無くなる
■ イライラしやすくなり不安感が募る
■ 体温調節が上手くいかなくなりホットフラッシュが起こる
■ 自律神経が乱れ、めまいや耳鳴り、睡眠障害が起こる
など、いろいろな症状があらわれ、これを「更年期障害」とよびます。
女性の更年期チェック!
1. 体や心の健康状態が低下していると感じる |
2. 関節痛や頭痛、手足の痛みなどを感じる |
3. 汗をよくかく / 涼しい場所なのにのぼせる |
4. 寝付けない / 途中で起きる |
5. 疲労感が抜けない / 寝たはずなのに眠い |
6. 小さなことですぐカッとなる / イライラする |
7. 家にいるのに落ち着かない / 神経過敏になる |
8. パニックになりやすい / 不安が抜けない |
9. 何事にも興味が持てない / 達成感が無い |
10. 筋力が低下してきた / スタミナが無くなった |
このチェックは、女性の更年期によくある症状を抜き出したものです。
更年期の症状は人それぞれなので、この症状以外でも「おかしい」「ツライ」と感じたら、専門医に相談してみましょう。
更年期障害は50代が多く悩んでいる
40代で発症する更年期障害の症状は、「気合で乗り切る!」という人も多くいます。
それは、まだ症状が軽い状態だったり、体力でカバーしたり、周りの協力が得られる状態だったからでしょう。
しかし50代になると、症状は慢性化し、体力や筋力が衰え、周りの協力も得にくくなってきます。
実際、50代の6割近くが「日常生活に支障をきたしている」と答えているアンケート結果も出ているのです。
■ 集中力が続かなくなり仕事が遅くなった
■ 記憶力が低下して会話が続かない
などは、女性の更年期における典型的な更年期障害といえます。
更年期障害は「そのうち治る」かもしれませんが、放置すると症状が悪化して病気のリスクが上がるかもしれません。
専門医に相談したり、セルフケアで症状を解消・緩和していきましょう。