女性の更年期とは|50代は体が変わる!心の不調も多くなる世代

更年期 女性の更年期
 

更年期障害は本当にしんどい!
他人から理解されづらいのでセルフケアで解消しましょう

女性の更年期とは

女性の「更年期」とは、閉経前後の約10年間を指す言葉です

まだ生理があるから更年期じゃないでしょ?

いいえ。閉経前から更年期は始まっているんです!

個人差はありますが、閉経準備に入る45歳前後から閉経する55歳前後は、女性ホルモンのバランスが狂い、体や心に変化が起こる人もいるでしょう。

その変化が重い人の症状を「更年期障害」とよび、医師の診察を必要とする人もいます。

 

女性の更年期は理解されづらい

更年期

更年期に入った女性が経験する体の変化は「周りに理解されづらい不調」なので、大きなストレスを抱えてうつ状態になってしまう人もいます。

体だけでなく自律神経や精神状態にも不調が起こり、今まで通り体を動かすことが出来なくなってしまう人がいる一方、症状を感じにくい人もいるのが「更年期」です。

しかし症状が重い人の中には、仕事や家庭生活に支障が出てくる人も多く、我慢しながら生活を送ることもあるでしょう。

更年期は周りからの理解も必要ですが、自分で体をメンテナンスすることも必要です。

まずは女性の体を理解することから始めましょう。

 

女性の更年期に関係する月経|年代別の変化

更年期

女性の年代別変化

思春期(8~18歳)

女性ホルモンが少しずつ分泌されてくる年代です。

分泌された女性ホルモンは、体をふっくらと丸みをおびた女性らしい外見に変化させ、妊娠できる状態にします。

11~14歳ごろに初経を迎え、15~18歳ごろには排卵や月経が安定してくるため、妊娠・出産が可能になります。

性成熟期(18~45歳)

女性ホルモンの分泌が盛んな年代です。

女性ホルモンが順調に分泌しているので、外観や容姿が女性らしくなり、体の機能が成熟してきます。

恋愛や結婚、妊娠、子育て、仕事に積極的に関われる充実した時期といえるでしょう。

更年期(45~55歳)

女性ホルモンの分泌量が急激に減少する年代です。

卵巣の働きが衰えてくるのに伴い、女性ホルモンの分泌量も減少してきます。

その一方、卵巣を刺激するホルモンが過剰に分泌するので、『更年期障害』とよばれる重い症状があらわれる人も増えてきます。

老年期(55歳~)

女性ホルモンの分泌は完全に停止して、閉経する年代です。

老年期に入ると生殖器や卵巣も萎縮してくるので、女性らしい体の丸みなどが無くなってくるでしょう。

このように、10代で月経(生理)を迎え、20・30代で月経周期は規則的になり、40代後半からは閉経に向かう準備に入り、50代後半で閉経を迎えるのです。

 

女性の更年期に関係する女性ホルモンとは

月経は女性ホルモンの影響で起こり、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2つの女性ホルモンの分泌で月経リズムを生み出しています。

ホルモンとは、骨や筋肉の成長、エネルギーの代謝、血圧、食欲や食物の消化など体の働きを調整する重要な物質です。

多くのホルモンはビタミンなどのように食物から栄養として摂るものではなく、脳やさまざまな器官でつくられていて、現在では100種類以上のホルモンが発見されています。

その中の一つである「女性ホルモン」は、主に「妊娠や出産の機能、そのための体づくり」といった役割を担っており「女性らしい体」を維持するにも大切なホルモンなのです。

女性ホルモンの量は年齢と共に変化する

40代後半になると卵巣の働きは衰えてくるので、女性ホルモンは50代になるとほとんど分泌されなくなります。

女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類がありますが、とくにエストロゲンは女性の体に大きな変化を与えるホルモンです。

エストロゲンの分泌が減少する更年期になると「更年期障害」とよばれる不調で悩みを抱える女性も少なくありません。

さらに、更年期を過ぎて老年期を迎えると、エストロゲンで守られていた肝臓や血管、骨、皮膚などの器官でトラブルや病気のリスクが高まります。

 

女性の更年期にみられる症状

女性の更年期に多く見られる症状は、肩こりや疲れといわれています。

それ以外の症状も更年期には引き起こされやすくなるので、主な症状を見てみましょう。

身体的症状

肩こり 頭痛 汗をかく
疲れやすい 腰痛 皮膚疾患
のぼせ 不眠 息切れ
火照り 動悸 めまい
耳鳴り 冷え 胃もたれ

精神的症状

興奮 イライラする 意欲の低下
うつ 気分が沈む 不安感

更年期には、さまざまな症状が組み合わさって出てくることもあり、「これが更年期の症状だ!」といえるものはりません。

主な症状は、女性ホルモンが大きく揺らぎながら低下していくことが原因ですが、性格や環境、病気が起因していることもあります。

 

更年期を乗り切るために! 女性ホルモンは増やせないの?

更年期

女性ホルモンの分泌量は年齢と共に減っていき、50代後半になると卵巣はわずかな女性ホルモンしか分泌しません。

つまり、更年期に入ると女性ホルモンが増えることはなく、女性ホルモンは年齢と共に減少を続けるのみなのです。

女性ホルモンを不自然に増やすのは危険

女性が一生のうちに分泌する女性ホルモンの量は、ティースプーン1杯ほどだといわれています。

そのわずかな量で体調や精神が安定するなら、女性ホルモンを摂取すればいいのでは?と考えてしまいますよね。

実は「女性ホルモンは若返る!」と考えるのは危険な考えなのです。

実際に、低用量ピルなどを用いた「ホルモン補充療法(HRT)」が更年期障害の治療に使われることもありますが、女性ホルモンには年齢に適した値があるので、それよりも極端に少なかったり多かったりすると病気につながります。

年齢に適さない量のエストロゲンを投入すると、子宮が異常事態と感じてガンが発生する可能性もあるのです。

 

女性の更年期を緩和する!50代からの自分ケア

食事で更年期ケア

更年期

食事で摂れる栄養には、「○○さえ食べていればよい」というような魔法の食材は存在しません。

「Aの栄養素が欠けているとBの栄養素が働かなくなる」「Cの栄養素が過分に摂取されるとDの栄養成分が吸収されにくくなる」といったようになるため、食事は栄養バランスが大切です。

正しい食事バランス!

主食:主菜:副菜=3:2:1

食事の適量(どれだけ食べたらよいか)は性別や年齢、身体活動量によって異なりますが、まずは50代の女性に必要なのは「お菓子や嗜好飲料などを減らすこと」です。

参考:厚生労働省

更年期も同じように栄養のバランスを考えた食事が理想的ですが、積極的に摂り入れたい栄養素もあります。

女性の更年期に摂り入れたい栄養

 ■ 大豆イソフラボン

女性ホルモンのエストロゲンと似た作用があり、骨粗鬆症の予防やめまい、のぼせや火照りなどの改善に有効です。
 ■ ビタミンC

ストレスから体を守るモルモンの材料となり、イライラを緩和します。
 ■ ビタミンE

血行の改善やホルモン分泌調整作用があり、ホルモンの乱れによって起こる症状を軽減します。
 ■ カルシウム

骨や歯の形成に必要な栄養素なので、骨粗鬆症の予防に役立ちます。
 ■ ビタミンD

カルシウムの吸収を助けます。

運動で更年期ケア

更年期

適度な運動をすることで、更年期障害の緩和に役立つことが分かっています。

とくに、おすすめなのが有酸素運動なので、ウォーキングやヨガなどの軽い運動から始めましょう。

女性の更年期におすすめの運動

 ■  ウォーキング
 ■  水中歩行
 ■  ヨガ
 ■  サイクリング

大切なのは継続することなので、ふだん運動をしていない人は、自分の体調に合わせて無理をせず行いましょう。

 

サプリメント・漢方で更年期ケア

更年期の症状の緩和が期待されるサプリメントや漢方には、いろいろな種類があります。

成分別に紹介しますので、自分に合ったサプリメントや漢方を選びましょう。

大豆イソフラボン

大豆イソフラボンには高濃度のフィトエストロゲン(ダイゼイン、ゲニステイン)が含まれており、エストロゲン作用と似た働きがあります。
更年期の症状緩和についてはわずかな改善に留まるものの、心血管系に良い影響を与えたり、骨代謝の改善に良いとされています。

大豆イソフラボン代謝物:エクオール

エクオールとは、大豆イソフラボンが腸内細菌の力を借りて、エストロゲン作用と似た成分に変化したものです。
つまり、大豆イソフラボンの中で更年期障害に直接関わる大切な成分。

大豆イソフラボンを摂取しても更年期症状が緩和しない人は、体の中でイソフラボンの成分を変換できていないのかもしれません。

日本人女性の約7割が「自分で大豆イソフラボンをエクオールに変換できない」といわれているので、更年期の症状が重い人は、最初からエクオールを摂取するといいでしょう。

 

 

ローヤルゼリー

ローヤルゼリーは女性ホルモン(エストロゲン)様と同じ作用をする「デセン酸」が含まれているため、更年期の女性の疲労感や肩こり、冷え症などの改善が期待できます。

さらに、物忘れやうつ症状などの神経症状の緩和も期待できるので、精神的症状が重い人におすすめです。

 

高麗人参

高麗人参成分は、女性ホルモン(エストロゲン)様と似た作用をする「サポニン」が含まれているため自律神経失調症といわれる一群の症状に効果的だといわれています。

とくに血のめぐりに効果的なので、冷え性やだるさの改善、気力の回復に力を貸してくれる漢方です。

プラセンタ

更年期障害の治療の中に、「プラセンタ療法」というものがあります。

これは、人や動物の胎盤(プラセンタ)から抽出されたエキスの有効成分を、注射・内服などにより体内にとりこむ治療の総称です。

自律神経調整やホルモン分泌調節、疲労回復、血行促進、免疫アップなどの作用が期待できるため、サプリメントで摂り入れるのも有効な手段です。

 

香りで更年期ケア

更年期

エストロゲン様作用を持つエッセンシャルオイルを用いて、更年期ケアをする方法もあります。

エッセンシャルオイル(精油)をデフューザーや加湿器にアロマを数滴たらして、その香りを楽しんで、リラックスしてみてください。

アロマテラピーは、病気の治療や症状の緩和のための代替医療の1つになってるので、自分のお気に入りの香りに包まれると効果があるはずです。

女性の更年期緩和におすすめの香り

クラリセージ : ホルモンバランスに影響する香気成分を含有
ゼラニウム : 自律神経のバランスを調整
ラベンダー : イライラ・興奮の緩和
ローズマリー : 無気力の緩和
イランイラン : ストレスからくる不整脈や高血圧、動悸の改善

更年期には、香りの中でリラックスする時間を設けるといいでしょう。

 

入浴で更年期ケア

更年期

女性ホルモンの減少は自律神経に大きな影響を与えるので、女性の体を不調へ追い込むことが多くなります。

自律神経を安定させるには、女性ホルモンを補うサプリメントの摂取や軽い運動などさまざまな方法がありますが、更年期特有の症状はストレスも大きな要因になることがあるでしょう。

入浴はストレス解消や血行促進作用、新陳代謝の促進などの効果があり、症状に合ったバスアロマを用いればアロマテラピー効果も同時に得られます。

入浴の科学的効果

入浴には科学的証明されている効果が3つあり、女性の更年期症状緩和に役立ちます。

1.温熱効果

2.静水圧効果

3.浮力効果

ストレスは精神的・身体的な更年期の症状を重くして、回復までの道のりを長くする厄介者です。
気持ちが不安定になったら、自宅でバスタイムを楽しみましょう。

 

更年期にあらわれる症状には個人差があります。

症状が軽い人は気にならないかもしれませんが、女性ホルモンのバランスが乱れると病気を引き起こすリスクも高くなるものです。
今後のためにも更年期対策をしていきたいですね。

更年期障害の症状が重い人は、医師と相談しながら自分に合った更年期対策をしていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました