エクオールの副作用で「太る」のは本当?
エクオール成分の副作用で「太る」ということはありません。
近頃、テレビCMやドラックストアでも見かけるようになったエクオールサプリメントは、更年期女性の不調改善が期待できるサプリメントです。
今では「更年期 エクオール」で検索すると、多くのエクオールサプリメントが出てくるようになりました。
それだけ「更年期障害対策にはエクオール」ということが、一般的になってきているのでしょう。
一方で「エクオールを摂取すると太る」という口コミや不安も広がっています。
更年期障害を解消するために飲むエクオールサプリで「太る」という副作用を抱えてしまうのは本末転倒ですよね。
では、更年期女性の強い味方となり愛飲者も増えるエクオールで本当に太ってしまうのでしょうか。
ここでは「エクオールの副作用で太る」と囁かれる原因や更年期女性の肥満について説明していきます。
エクオールとは
エクオールとは、大豆イソフラボンが体内で変換されてできる、女性ホルモン「エストロゲン」に似た働きをする成分です。
更年期の女性は、エストロゲンの分泌が極端に減少してしまう時期なので、エストロゲンが無い状態に慣れていない体がパニックになって体に不調があらわれます。
この不調を「更年期障害」といい、40代になった女性が長年悩まされる状態なのです。
エストロゲンを体内で増やすことはできないので、エストロゲンと同じ働きをする成分で体の不調を解消していくしかありません。
昔から、更年期になった女性が「体を整えるために食すと良い」といわれてきたのが大豆食品です。
大豆食品に含まれる大豆イソフラボンは、体内の腸内細菌によって「エクオール」という成分に変身し、エストロゲンと同じような活躍をしてくれるのが分かっています。
しかし、研究の結果、大豆イソフラボンをエクオールに変身させる腸内細菌を持っているのは3人に1人しかいないことが分かりました。
そこで、大豆イソフラボンを摂取するより「直接エクオール成分を摂取するほうが効率が良い」と、多くの更年期女性はエクオールサプリを選ぶようになったのです。
つまり、
・ 大豆食品を食べても更年期解消は望めない人は、日本人の約65%存在する
・ だったら、エクオールサプリを飲みエストロゲンの代わりをしてもらって、更年期障害を無くそう
と、多くの更年期女性はエクオールサプリを摂取するようになりました。
エクオールに副作用はあるの?
エクオールは体内で作れる成分なので副作用はありません。
エクオールは更年期症状への対策として、多くの更年期専門医から推奨されている成分です。
重い更年期障害を治療する際、一般的な方法は「ホルモン補充療法」ですが、子宮筋腫の増大や不正出血などの副作用もあり投与には注意が必要なのです。
研究の結果、エクオール含有食品を摂取した患者さんにおいては、子宮筋腫の増大や不正出血などの副作用は認められず、その他の婦人科領域の疾患への影響も認められませんでした。
診療を受けなくても手軽に摂取できるエクオールは、ホルモン補充療法が難しいケースや抵抗がある人への代替療法としても有用です。
さらに、更年期世代の女性に多い動脈硬化や骨粗鬆症などの生活習慣病のリスク軽減においても有用であることが示されています。
エクオールの副作用で「太る」といわれる理由3つ
エクオールの副作用で「太る」といわれる理由は3つあります。
2. エストロゲンには「女性らしい体をつくる」作用があるから
3. 更年期障害の「食欲減退」が無くなり、食事が美味しく取れるようになるから
1.そもそも更年期世代は「痩せにくい」から
更年期世代が痩せにくいのは、代謝が乱れて排出機能が衰えるからです。
「歳をとると太りやすくなる」といわれ、痩せにくくなったと実感する人も多いでしょう。
痩せにくくなるのは以下の2つが考えられます。
・加齢による筋肉量の減少
年齢を重ねると筋肉はどうしても衰え、筋肉量は減少していきます。
筋肉は代謝を活発にさせる働きや血流を促しながら、老廃物の排出を活発にしてくれていました。
しかし、更年期になってエストロゲンが減少すると、骨や筋肉を生産する工場の働きは悪くなり、骨量・筋肉量共に減っていきます。
筋肉の量が減ってしまうと、排出の量が減ってバランスが狂うので、太りやすい体へとなってしまうのです。
・内臓脂肪よりも皮下脂肪が増える
更年期に入った女性は、内臓脂肪よりも皮下脂肪を多く溜め込むようになってしまいます。
皮下脂肪は皮膚のすぐ下にある脂肪で、脂肪の中でも最も落としづらいといわれている脂肪です。
皮下脂肪が増えてしまうと、食事制限や多少の運動ではほとんど皮下脂肪を落とすことができず、「痩せるよりも先にどんどん皮下脂肪が増えてしまう」という状態になってしまいます。
2.エストロゲンには「女性らしい体をつくる」作用があるから
エストロゲンには「女性らしい体をつくる」という作用があり、バストアップさせる働きや丸みをおびた体をつくりだす働きをします。
この「バストアップ」「丸みをおびた体」=「太っている体型」というイメージを生み出すのでしょう。
エクオールはエストロゲンと同じような作用をすることから、「脂肪が付き太る」といった感覚になったものだと思われます。
もちろん、エクオールの元となる大豆イソフラボンが多く含まれている大豆製品には、脂質を多く含んでいる製品もあり、大豆食品を食べ過ぎれば太る可能性もあります。
しかし、サプリメントでエクオール成分を摂取する分にはほとんど脂質は含まれていないので心配する必要はありません。
3.更年期障害の「食欲減退」が無くなり、食事が美味しく取れるようになるから
エクオール摂取により更年期障害が解消・緩和されると、食欲が戻って「太った」と感じる人もいます。
更年期障害の症状には「食欲減退」があり、食べられなくて痩せたという人もいるでしょう。
しかし、それはスリムになったというより、食べられなくて「ゲッソリした」「やつれた」という外見になっています。
食事が摂れないと体力の回復が遅れたり、栄養が偏って病気のリスクが上がったりというダメージも考えられますね。
エクオールを摂取して食欲が戻り、食事が美味しく取れるようになると「ゲッソリした」「やつれた」状態から回復します。
そして、食欲が戻って体調が回復した後、太った感じる人がいるのです。
このように、更年期による肥満も徐々に始まっている世代は「エクオールを飲んで太った」と勘違いしてしまう方が多くいます。
エクオールはダイエット効果も期待できる
エクオールは、「代謝を上げる」「心身ともに活発になる」「食欲抑制効果」の、3つの作用のおかげでダイエットに対して期待できます。
更年期はエストロゲンの減少により太りやすくなったり、自律神経が乱れてさまざまな不調があらわれます。
だからこそ、エクオールを摂取してエストロゲン様作用を得るわけです。
しかも、エクオールには、ダイエット効果もあるのではと考えられおり、「太る」とは反対の効果が期待できます。
エクオールは代謝を上げる
活発な代謝機能を取り戻すことができるエクオールは、「太る」というよりも「痩せやすい体質に整える」という効果の方が高くなります。
エクオールは、エストロゲンの減少で悪くなった骨や筋肉を生産する工場の働きを再稼働させる力があります。
骨量や筋肉量が戻ってくると、乱れていた代謝機能が整い排出機能が活発化するので、代謝が上がりやすくなり、いらない脂肪も落としやすくなるでしょう。
更年期症状の改善で心身ともに活発になる
エクオールは、更年期症状である「倦怠感」や「落ち込みがちな気分」から回復させる効果が非常に期待できます。
疲れやすいときやダルいときは、運動しようという気持ちにも、食事制限を始めようといった気持ちにもなかなかなれません。
エクオールを摂取すると更年期症状も改善されて、心身は活発になり、体が動かしやすくなります。
「映画を観に行こうかな」「犬の散歩を長めにしよう」「凝った料理に挑戦しよう」など、更年期症状が出ていたころとは比較にならない運動量を得ることができるでしょう。
さらに、ダイエットをする気力や運動をしようという元気を取り戻すことができます。
エクオールの食欲抑制効果
エクオールの研究では「食欲抑制効果」が確認されています。
福島医大消化器内科学講座の高橋敦史准教授(49)らの研究チームが、大豆に含まれるイソフラボンを材料に体内で作られる「エクオール」と呼ばれる物質に、50~60代の閉経後の女性を肥満になりにくくする効果があることを突き止めた。7月、北米閉経学会の学会誌に発表した。
このように「エクオールは肥満や生活習慣病からってくれる」と、結論づけています。
具体例を出すと、エストロゲンが減少すると「お腹いっぱい」と、満腹中枢に指令を出すホルモン「レプチン」の働きを低下させます。
すると、「間食」がやめられなくなり、過食を抑えられなくなってしまうのです。
エクオールの副作用で「太る」のは間違い
エクオールの副作用で「太る」のは間違いです。
上記で説明したように、更年期による肥満も徐々に始まっている世代は「エクオールを飲んで太った」と勘違いしてしまう人は多いです。
しかし、それは間違いで、実はエクオールにはダイエットに関する効果も期待できるのが分かっています。
更年期障害がツラくても、太ることが怖くてエクオールを試していなかった人は、ぜひエクオールサプリを試してみてください。
エクオールサプリは太るどころか痩せる効果も期待できます。
スッキリとした気分を取り戻せ、体の不調も和らぎ、更年期症状を緩和・解消してくれるはずです。