更年期の肩こり原因|男女共に悩みの多い肩こり
厚生労働省が発表した「2019年 国民生活基本調査の概要」によると、健康状態の悩みで男女ともに多いのが「肩こり」と「腰痛」でした。
また、2020年にツムラが調査した不調の症状では、「72.8%の人が肩こりに悩んでいる」という結果が出ています。
まさに肩こりは「国民的な悩み」といえそうです。
肩こりの原因|男女共に筋肉の緊張からきている
肩こりの原因で多いのは、男女共に「筋肉の緊張」があげられます。
肩こりの原因でよく聞くのは「筋肉の緊張」という言葉ですが、この緊張とは「筋肉が張っている状態」を示しています。
二足歩行で生活をしている私たちの首は、重い頭や腕を支えているので常に筋肉がピーンと張っている状態といえるでしょう。
頭の重さは体重の約10~15%、腕の重さは体重の5%といわれています。
体重50㎏の人の場合、頭の重さは5~6.5㎏となるので、水の入った500mlのペットボトル約10本の重さを支えていると考えてください。
この重さを抱え、首の筋肉は姿勢を保とうとバランスを取るため、筋肉は緊張し続けています。
緊張状態が続くと、筋肉が疲れて疲労物質がたまり硬くなります。
その疲労物質が血管を圧迫して、血液の循環を悪くしたり、末梢神経を傷つけたりして、こりや傷みを起こすのです。
この、こりや傷みは「肩こり」とよばれ、男女共に悩みのトップとなっています。
さらに血行不良になると、筋肉に十分な酸素や栄養が供給されないので、筋肉に疲労がたまり、ますます筋肉が硬くなってしまいます。
肩こりの原因|女性にも男性にも共通する5大原因
2.眼精疲労
3.運動不足
4.ストレス
5.歯のかみ合わせ
1.長時間、同じ姿勢のまま
長い時間、同じ姿勢を続けていると、同じ場所に負担がかかって筋肉の緊張度合いが高くなり、たとえその負担が軽度でも、肩こりに繋がっていくのです。
なで肩や猫背、肥満などの骨格や体型も「肩こりを引き起こす姿勢」に関係しており、重心が前に傾くことで、首や肩などの筋肉の緊張に繋がったり、疲労物質が同じ場所に留まりやすくなります。
2.眼精疲労
目と首は近い位置にあるため、目が疲れると信号が目の神経を介して首周辺の筋肉を緊張させやすくなります。
目の疲れは交感神経を刺激するので、筋肉を緊張させて肩こりの原因となりやすいのです。
3.運動不足
肩こりは運動不足によっても引き起こされます。
運動不足は筋力の低下を招くので、正しい姿勢を保てなくなったり、血行不良を引き起こして肩こりになるのです。
4.ストレス
ストレスがかかると自律神経の交感神経が優位になり、筋肉が緊張して血管が収縮し、血行不良になって肩こりを引き起こします。
さらに、こりや痛みを意識しすぎることで、交感神経がさらに興奮して血行悪化に陥るケースもあるので注意してください。
5.歯のかみ合わせ
歯のかみ合わせが悪い人は、肩こりを悪化させるかもしれません。
噛むための組織である下アゴの筋肉はとても強く、その力は、自分の体重の約二倍ほどだともいわれるくらいです。
アゴの筋肉は肩や首筋に繋がっており、上下の歯の噛み合わせが悪いと、調整に通常よりも多く負荷がかかり、余計な緊張や筋肉疲労を引き起こします。
肩こりの原因|女性が男性より多い3つの理由
肩こりは女性の方が男性より多く悩んでいることが、厚生労働省の調査で分かっています。
その主な理由は3つあります。
・冷え性による血流の悪さ
・バストの重み
女性の肩こり原因|首や肩の筋肉量の少なさ
女性は男性よりも全体的な筋力量が少なく、その状態で重い頭を支えなくてはならないため、筋肉の緊張感も増すので肩こりになりやすくなります。
女性の肩こり原因|冷え性による血流の悪さ
女性に多い冷え性は血流を悪くさせるため、疲労物質が溜まりやすくなって肩こりを引き起こしやすくなります。
女性の肩こり原因|バストの重み
バスト自体の重さもさることながら、サイズの合わないブラジャーも筋肉の緊張を生み出し、肩こりの原因となります。
更年期の肩こり原因「ホルモンバランスの乱れ」
更年期の肩こり原因である「ホルモンバランスの乱れ」は、多くの人がスルーしてしまう問題となっています。
女性が更年期になると女性ホルモンのエストロゲンが減少し、男性は男性ホルモンのテストステロンが減少するため、肩こりを感じやすくなるのです。
エストロゲンは女性らしさ、テストステロンは男性らしさ、を促進・維持させる作用がありますが、同時に血行促進作用や筋肉量を増やす働きも持っています。
その血行促進作用や筋肉量を増やす働きが減ってしまうと、血管壁が硬くなり、筋肉に酸素や栄養が行きにくくなくなって、肩こりになるのです。
更年期の肩こり原因「五十肩」
更年期の肩こり原因である「五十肩」は関節鵜の一種で、筋肉の老化が主な原因となっており、男女共に悩みのタネになります。
両方の肩が同時に痛くなることはなく、片方の肩だけに痛みがあるのが特徴ですが、片方の肩が発症した後に、もう片方が痛くなるケースはあります。
・背中に痛くて手が回せない
・夜になるとズキズキと肩が痛んで眠れない
これらの症状は五十肩かもしれません。
五十肩で病院に行くと「肩関節周囲炎」と一括りにされることが多いのですが、腱板というインナーマッスルのスジに炎症が起こっている「腱板炎」や、力こぶの筋肉である上腕二頭筋の一部のスジに炎症が起こっている「上腕二頭筋長頭腱炎」、腱板疎部という肩の前方の膜や靭帯からなる部分に炎症が起こる「腱板疎部炎」が病名となります。
更年期の肩こり原因を根本から解消する3つの方法
2.サプリメントでホルモンバランスを整える
3.マッサージで肩や首をほぐす
1.運動やストレス解消を行う
年齢や性別に関係なく、肩こりの多くの原因は以下の3つです。
・ストレスによる交感神経の興奮
・同じ態勢を取り続けた結果の筋肉の緊張
これらが原因の肩こりならば、運動やストレス解消を行うことで少しずつですが改善していくでしょう。
2.サプリメントでホルモンバランスを整える
更年期の肩こりはホルモンバランスの乱れも大きく関係します。
女性ならエクオール、男性ならマカなどのサプリメントを摂取してホルモンバランスを整えて、血管のしなやかさを取り戻しながら筋肉量を上げましょう。
ホルモンバランスを整えると、ほかの病気のリスクも低下し、更年期障害自体も回避することが期待できます。
3.マッサージで肩や首をほぐす
更年期の肩こり原因を根本から解消する方法として、1番気持ちよく行えるのがマッサージで肩や首をほぐす方法です。
整体などに通うのもいいですが、1度で肩こりが解消されるワケも無く、これからも肩こりを発症するたびに通うことになります。
そのため肩こりで悩んでいる人は、自宅でいつでも使えるマッサージ器具を手元に置いてください。
おすすめは、マッサージガンや美顔器です。
今話題のマッサージガンとは、ココ!という場所をポイントでマッサージできる優れもの。
「広い範囲ではなく、肩甲骨のすぐ横だけを集中してマッサージしたい」というときや、「リンパの流れに沿ってマッサージ器を動かしたい」というときに便利です。
肩こり解消おすすめマッサージガン
美顔器は、たるみを引き上げるなどのスキンケア器具ですが、RF(ラジオ波)で肩こり部位をじんわり温め、EMSで奥にある筋肉を鍛えながらほぐせます。
肩こり解消おすすめ美顔器
マッサージガンや美顔器は、神経と筋肉組織を囲んでいる「筋膜」をほぐす作用があり、固まって痛みを発している筋肉を柔らかくして痛みを緩和させられるので、「今感じているコリを解消する」「固まった筋肉をほぐして肩こりを予防する」効果が期待できるのです。
ほかには、歯科でかみ合わせを調整する方法や、整形外科で消炎鎮痛剤治療を行うことで肩こりを解消する方法もあります。
自分に合った方法で肩こり改善を目指しましょう。