塩を減らすと体に優しい!?
昨今の健康ブームで体にいいからと「減塩」に力を入れている人は多いでしょう。
「減塩醤油」や「塩分控えめのみそ」など、スーパーの調味料売り場にも、減塩の商品はたくさん並んでいますよね。
しかし、「なぜ減塩が体にいいのか」と聞かれると、「テレビで言っていたから」「病院のポスターに書いてあったから」など、正確に答えられない人は多いのです。
そもそも、食事の塩分を減らすことがなぜ体にいいのでしょうか。
塩分の摂り過ぎと病気の関係
塩分の摂り過ぎが招く病気
■ 動脈硬化
■ 腎臓病
■ 尿路結石
■ 骨粗鬆症 など
高血圧・動脈硬化の原因
↓
血液中の塩分濃度が高くなる
↓
塩分濃度を下げようと水分をため込む
↓
血管内がパンパンに膨れ上がる
↓
大量の血液を流すために血管壁に高い圧力がかかる
(高血圧)
血管は「塩分濃度を常に一定に保ちたい」ため、塩分を薄めるために水分を摂り入れて濃度を下げようと働きます。
その結果、塩分と水分をため込んだ血液で血管内は満杯になってパンパンに膨れた状態になってしまいます。
その状態を「高血圧」といい、長期間、圧力がかかったままだと血管壁の内側はダメージを受けてボロボロになってしまうでしょう。
すると、血管はもろくなったり柔軟さが失われて硬くなったりして、心筋梗塞や脳卒中といった重大な病気を引き起こす原因になる「動脈硬化」の状態になってしまうのです。
腎臓病・尿路結石・骨粗鬆症の原因
塩分は腎臓でろ過されて排出されますが、過剰に摂り過ぎた塩分をろ過する際には腎臓の負担が大きくなります。
腎臓のダメージが続いた場合、「慢性腎臓病(CKD)」を起こして慢性腎臓病が悪化すると招きやすい「腎不全」になってしまうかもしれません。
腎臓の病気になると、透析療法が必要になることもあるので注意が必要です。
また、塩分を排出するときにカルシウムも一緒に排出されるため、尿のタンクである膀胱内で「結石」ができやすくなったり、カルシウム不足で骨粗鬆症を引き起こします。
減塩が喜ばれる理由
塩分の摂り過ぎは、脳血管疾患や心臓病、腎機能障害など、さまざまな病気を引き起こす危険があるので、減塩が推奨されています。
日本では成人の1/3が高血圧と診断され、高齢者になると2/3が高血圧傾向にあります。
高血圧は脳卒中や心臓病につながりやすく、その原因は塩分の摂り過ぎが大きく関わっているといわれているのです。
1日食塩摂取量 /健康な成人男女の場合 | |
男性 | 7.5g未満 |
女性 | 6.5g未満 |
最近の厚生労働省の調査では、「平均2g程度(濃口しょう油に換算すると小さじ2杯強に相当)上回っている状況」だと報告されています。
調味料の塩分はどのくらい?塩を減らすコツは
一般的な調味料に含まれる塩分を紹介します。
調味料 | 大さじ1あたりの塩分量 |
淡口醤油 | 2.9g |
濃口醤油 | 2.6g |
ポン酢 | 1.5g |
ウスターソース | 1.5g |
中濃ソース | 1.0g |
ケチャップ | 0.5g |
マヨネーズ | 0.3g |
お酢 | 0g |
食事で塩を減らす6つのコツ
1.調味料の入れ替えで減塩をする
■ 冷奴にかける醤油をポン酢に変える
■ とんかつにソースをかける→ソースにケチャップを加えてかさ増しをする
■ サラダにかけるドレッシングをマヨネーズに変える
2.調味料はかけるのではなく付ける
3.レモンや酢、香辛料でかさ増しして調味料を減らす
4.ラーメンやうどんの汁を残す
5.味噌汁は具だくさんにして「食べる味噌汁」を目指す
6.減塩の調味料を使う
この中で一番気を付けたいのは、日々口にする調味料の塩分ですね。
料理に使う調味料を減塩タイプにすれば、ヘルシーな健康食になるでしょう。
無理なく減塩!「減塩調味料」を使う
減塩だしつゆ
減塩焼肉のタレ
減塩 中濃ソース
ボトルの押し加減で注ぐ量が調節出来る
「50%減塩 ブルドック 中濃ソース」
着色料不使用/ 増粘剤不使用 / 化学調味料不使用 / 甘味料不使用
その他の減塩調味料
ほかにもいろいろな減塩調味料が揃っている「無塩ドットコム」では、食塩不使用の梅干し「ゼロ梅」や「減調味料お試しセット」などがあるので、ぜひ試してみてください。
減塩の調味料は美味しいの?
一昔前の減塩食品や調味料は、「味が感じられない」「美味しくない」と不評が相次いでいました。
しかし今の減塩食品や調味料は、コクや刺激、酸っぱさなどで塩味をカバーしているため、調味料自体がとても美味しくなっています。
健康のために「減塩しなきゃ!」と無理に頑張らなくても、調味料を減塩タイプに替えるだけで、簡単に減塩生活ができますよ。