男性にも更年期はやってきます!
男性にも更年期はある
1940年代、欧米を中心に「男性にも更年期がある」という説が沸き上がりました。
今まで、さまざまな提唱と多くの検討がされて来ましたが、21世紀に入ると社会の成熟化や高齢化にともない抗加齢医学の関心が高まって、今では「男性の更年期」は世界的な認知となりました。
女性に更年期があることはよく知られていますが、男性にも更年期はあるんです。
しかし、男性の更年期は認知度が低いため症状が出ても「これは更年期の障害ではないか?」と思い当たる人は少ないでしょう。
さらに、男性の更年期障害は女性の更年期障害とは決定的な違いがあるので「気のせい」「体調が悪いだけ」とスルーされやすいのも特徴です。
男性の更年期は期間が長い
女性の更年期障害は、閉経に伴う45~55歳程度の10年間と定義されることが多く、長期間ではありますが10年間という一定期間での出来事です。
また、症状の重さに個人差があるものの、どの女性も通過しなくてはならない障害といえます。
一方、男性の更年期障害の多くは、男性ホルモンの減少に伴う「病気」です。
男性の更年期障害は一般的に40代以降から気になりはじめ、50・60・70代でも発症の可能性があります。
男性の更年期に関係する男性ホルモンとは
男性ホルモンには、いくつかの種類がありますが、代表的なのは「テストステロン」というホルモンです。
ここで注意しなければならないのは、男性には男性ホルモンだけ存在するわけではありません。
男性ホルモンは女性の体にも、女性ホルモンは男性の体にも存在し、それぞれ重要な働きをしています。
ただ、分泌される量が性別によって異なるため、男性ホルモン・女性ホルモンという呼び方をされているのです。
男性ホルモンの代表「テストステロン」
男性ホルモンの種類
■ ジヒドロテストステロン(DHT)
■ デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)
■ アンドロステロン
■ アンドロステンジオン
男性ホルモンのメインであるテストステロンは、胎児のときから体内でガンガン作られています。
そして「男らしい遊びを覚える」といわれている2~3歳の時期にもテストステロンは大量に作られるので、脳(考え方)が男の子らしくなっていくのです。
さらに、思春期にもテストステロンは多くなるので、体も心も少年から男性へと変化していきます。
テストステロンの働き
男性らしさをつくる | |
骨や筋肉を作り、強さを保つ | 血液を作る |
性欲や性機能の源になる | 動脈硬化の予防 |
メタボの予防 | 脳の認知機能を保つ |
さらに、精神的な面でもテストステロンは影響を与えます。
テストステロンは集中力やリスクを取る判断をすることなどの高次精神機能にも関係します。
引用:順天堂大学医学部泌尿器科
とあるように、テストステロンはやる気や判断力、決断力にも大きく働きかけるホルモンなのです。
テストステロンが減少する理由
テストステロンは睾丸で合成されるホルモン
男性ホルモンの代表であるテストステロンは、約95%が睾丸(精巣)で残る5%が副腎で合成されています。
合成されたテストステロンは脳からの命令で分泌量がコントロールされており、1日に分泌するテストステロンは、成人男性の場合7mg前後といわれています。
人の血液量は体重の約13分の1といわれているので、体重60kgの人なら60÷13≒4.6 kgとなり、1kgは1,000,000mgなので1日に分泌するテストステロンが7mgというのは、とても少ない量だということが分かりますね。
体重60kgの人の血液量 | 1日に分泌するテストステロン量 |
4.6kg=4,600,000 mg | 7mg |
テストステロンは20代をピークに減っていく
テストステロンが減少する理由は3つあります。
2.食生活や生活環境の変化
3.ストレス
テストステロンの分泌は20歳代をピークにして、年齢を重ねるとともに衰えて行きます。
血中に分泌されたテストステロンは、合成から約90分経つと大部分が肝臓で代謝されて尿になってしまうので、少しずつ合成されて少しずつ分泌されています。
このサイクルは20代をピークに活動が低下していき、30代で「ときどき体の調子が狂う」40代で「年をとってきたかな」50代になると「病気の兆候が感じられる」と変化していくでしょう。
50代はテストステロンの減少だけが悩みじゃない
食生活や生活環境の変化が起きやすいのもこの時期です。
飲酒量が増えたり、食事時間が安定しなかったり、お金や子育て親の介護などの悩みも増えてきます。
40代以降になると今まで以上に社会的責任とストレスが高まる時期に入るので、ますますテストステロンの分泌が不安定になり、自律神経のバランスが狂うことが多くなるのです。
男性の更年期にみられる症状
身体面
男性の更年期にみられる症状は女性の更年期障害と症状は似ていますが、男性特有の症状として「性欲の減退」や「朝立ちがなくなる」といった不調も見られるようになります。
精力低下 | 多汗 | 勃起障害・性機能低下 |
筋力低下 | 頭痛 | めまい |
筋肉痛 | 頻尿 | 耳鳴り |
ほてり | 不眠 | 肥満 |
精神面
仕事はもちろん趣味や習い事にも意欲を無くし、没頭していた作業もあっさり放棄してしまうことがあります。
また、常にイライラして周りに当たり散らすことが多くなり、家族や社会から孤立しやすいため、ストレスを抱え込みやすくなります。
集中力や記憶力の低下 | ||
無気力 | 頭のもやもや感 | うつ症状 |
不安感 | イライラ感 | 疲労感 |
男性の更年期障害はLOH症候群とよばれる
さて、今まで「男性の更年期障害」と表記してきましたが、40代以降の体と心の不調にはLOH症候群(加齢男性性腺機能低下症候群)という呼び名があります。
しかし、日本ではまだ認知度が低く、うつ病と診断されることもあるようです。
LOH症候群とうつ病の違い
LOH症候群はうつ病と非常に重なる部分が多く、密接に関係しています。
テストステロンの値が低いとうつ病になりやすいですし、40代以降のうつ病患者さんはテストステロンの値が低いことが分かっています。
もちろん、男性のうつ病患者さんの全員がテストステロンの値が低いわけではありません。
そこで一度試して欲しいのが、男性ホルモン値のチェックです。
なぜなら、テストステロン不足によるうつ症状は、抗うつ薬を飲んでも改善しない場合が多いからです。
原因が違えば対処法も変わる
抗うつ薬は不安や気分の落ち込みを和らげる効果が期待できる薬ですが、やる気や興味の向上、自己主張をするといった積極性は取り戻せません。
LOH症候群によるうつ症状なら、抗うつ薬での治療より男性ホルモンを増やす方が悩みを解消する近道になるかもしれないので、専門医に相談してください。
男性の更年期を緩和する!50代からの自分ケア
食生活を変えて男性の更年期を緩和する
男性の更年期といえば50代。
この年代は、食事の好みが固定化しているので、嫌いなものや新しいものを食べない傾向があります。
そのため、更年期に必要な栄養が摂取しづらくなり、更年期障害の症状を悪化させることも少なくありません。
男性ホルモンを低下させない食事を心がけることで、体や心の不調を緩和・解消して、QOLを上げましょう!
サプリメントを摂取して男性の更年期を緩和する
マカはホルモンバランスを整える
「マカ」は、ホルモンバランスや自律神経を整える効果があるので、男性の更年期障害(LOH症候群)の症状緩和に役立てられます。
まず、1番大事なことは血流改善効果が期待できるので性機能向上が期待できることです。
加えてアルギニンをはじめ、必須アミノ酸や鉄分、ビタミン、カルシウムなど豊富な栄養が含まれているのことから、弱っている体を強くする働きや集中力を上げる効果、疲労回復など多くの改善効果が期待できます。
亜鉛で男性機能を取り戻す
亜鉛は精巣や前立腺の働きを活発化させ、骨を強くしたり動脈硬化を防いだり、筋肉や血管、内臓などを若々しく保つ効果が期待できます。
亜鉛は「体内に吸収されにくい」といわれる栄養素なので、食事で摂取するより吸収しやすいサプリメントで補給したほうが効率的です。
睡眠の質を高めて男性の更年期を緩和する
テストステロンは睡眠中に分泌されるので、睡眠の質を高めて熟睡することが大切です。
更年期障害の症状である不眠や途中覚醒、睡眠不足などがある場合は、睡眠前の行動や睡眠グッズなどを見直してみましょう。
ストレスを解消して男性の更年期を緩和する
更年期になると今まで気にならなかった些細なことでも過度なストレスになります。
過剰なストレスはホルモンの分泌を減少させ、自律神経のバランスを崩し、体や心に大きな負担を与えます。
入浴や音楽鑑賞、ドライブや釣りなどの趣味、友人や家族とのおしゃべりでストレス解消をしてリフレッシュしてください。
運動習慣をつけて男性の更年期を緩和する
体のなかで大きな筋肉である下半身の筋肉に刺激を与えると、男性ホルモンの分泌が増えることが分かっています。
とくに、太ももやお尻周辺の筋肉を鍛えると効果的なので、スクワットやランニングといった運動をしてください。
しかし、更年期の障害である「だるい・興味を持てない・疲れやすい」といった症状が出ている人は、無理に体を動かすと逆効果になる恐れがあります。
そういった人は、家で何かをしながらできる運動から始めるのがいいでしょう。
専用のトレーニンググッズを利用すると効率的に運動ができるので利用してみてください。