終活ノート・エンディングノートを書く理由
終活とは「これからをより良く生きるための活動」です。
老後や死後を見据えて、「こうしておけば良かった」という後悔を無くすための活動といえます。
その第1歩として、今までの人生やこれからの希望などを整理することが重要です。
でも、何から始めたらいいか分からない……
では「終活ノート」「エンディングノート」を書くことから始めましょう!
終活ノート・エンディングノートの違い
「終活ノート」「エンディングノート」は同一視されがちですが、大きな違いがあります。
それは「生」を前提としているか、「死」を見据えているかの違いです。
終活ノートとは
■ 「生」を前提としている
■ 老後の希望やこれからの生き方を整理する
エンディングノートとは
■ 「死」を前提としている
■ 自分の死後、何をどのようにして欲しいかを家族に託す
「終活ノート」「エンディングノート」は、このように「誰に向けて・何のために記すのか」という違いがあります。
終活ノート・エンディングノートを書くメリット
終活ノートを書き込むメリットは、やり残したことが明確になり、これからの時間を前向きに過ごすきっかけになること。
エンディングノートを記すのは、相続や葬儀の方針を決めることで遺される家族に自分の考えを伝えられるというメリットがあります。
50代で終活ノート・エンディングノートを書くのは早い?
50代で終活ノート・エンディングノートを書くのはベストタイミングといえます。
その理由は2つ
2.判断力や行動力、認知能力が衰えていない
定年前の50代はまだ仕事が続けられる年代です。
老後にかかる費用や、シニアになってからも継続できる趣味、不自由になってからの住まいなども考慮できる想像力もるでしょう。
終活を早くはじめることにデメリットはないため、早いうちから用意するに越したことはないといえます。
これからの生き方や物事をしっかり判断できるうちに終活を進められると良いですね。
終活ノート・エンディングノートの作り方
「終活ノート」と「エンディングノート」は、1冊にまとめても大丈夫です。
しかし、1冊を前編と後編に分けてください。
前編の「終活ノート」には自分のこれからを記し、後編の「エンディングノート」には自分の死後を書き込むようにしていきましょう。
もちろん、「終活ノート」と「エンディングノート」を2冊に分けて用意するのもおすすめです。
「終活ノート」自分のこれから
2. 財産 年金・保険
3. 住まい
4. 医療と介護
1.自分の履歴書を作る
■ 出身地 / 生年月日 / 家族
■ 幼稚園・小学校・中学校・高校・大学・専門学校
■ これまでの引越し・職歴・趣味
それぞれの思い出を書き込むのもステキですね。
2.財産 年金・保険・貯金
年金や保険、貯金は老後の生活を支える柱となります。
終活ノートに現状を記載して整理してみましょう。
■ 通いたい教室
■ 車の買い替え
■ 子どもの留学費用
■ 住まいのリフォーム
など、これからいろいろなことが待っています。
年金
自分が加入している、または加入していた「国民年金」「厚生年金」は、どうなっているのかを「ねんきん定期便」などで確認しましょう。
ここで、おおよその「自分が貰える年金額」が分かります。
保険
若い頃から加入している保険保証内容には、これからの自分には必要がないものがあるかもしれません。
終活を期に、自分に合った保険タイプを改めて選択しなおすといいですね。
ここで注意したいのは、途中で解約すると解約時の「返戻金」がほとんど戻ってこない保険があるということです。
このまま加入しておく方がいいのか?それとも、違うタイプの保険に加入しなおすのが得なのか?を見比べてください。
貯金
これからのライフプランを立てる上で、貯金も大切なファクターとなります。
普通預金・定期預金・国債・株式・不動産・貴金属などを、「使用予定資金」「生活資金」「緊急資金」「予備資金」に分けて整理してください。
ここで、注意しなければならないのは、住宅ローンなどの「借金」です。
貯蓄全体を把握し、「何のための資金なのか?」が明確になると、繰り上げ返済など効率的な返済プランも立てられるようになります。
年金や保険、貯金を見直して「仕事を定年後でも続ける」「今から副業を始める」「早期退職して不動産収入で暮らす」など、いろいろな可能性を見つけましょう。
3.住まい
持ち家や賃貸の選択のほかにも、ケアハウス、老人ホーム、田舎・海外移住など、終の棲家を考えるのも終活の大きなポイントとなります。
また、持ち家があるなら、バリアフリーにリフォームして住み続ける、生前贈与してマンションを借りるなども考慮に入れてください。
最後まで自立した生活を送れるのか、困難になった場合は在宅医療を受けるのか、その場合は子どもに頼るのかなども、終の棲家を考える際のポイントとなります。
4.医療と介護
終活の「医療」と「介護」とは、自分の判断力が低下したとき、どのような対処をして欲しいかを記載する項目です。
■ 延命治療の必要性
■ 病院介護と在宅介護の選択
■ 介護費用の捻出先 など
最近では「医療の主役は患者本人」という考え方が主流になっており、昔のように「医師の言うことに従う」という人は少なくなってきました。
若いときは自分の病気を受け止め、治療し、リハビリを受けて回復を図りますが、シニアになると身体能力をはじめ判断力や認知能力が劣ってきます。
「医療の主役は患者本人」であるために、シニアになってからの医療と介護を50代のうちに決めておくことが安心に繋がるのです。
「エンディングノート」自分の死後
2.葬儀
3.お墓
1.相続 財産・遺品
財産や遺品の譲渡先を決めておきましょう。
今の時代なら預金や不動産だけでなく、ゴールドバーや株式、暗号資産など、いろいろなものが考えられます。
「相続」は「争族」を産む。といわれているように、親族間で争いが起きる種となってしまうものです。
自分が大切に守ってきた財産によって、家族が悲しい思いをしないように、お金や不動産、株式などを残す相手を指定しておいてください。
ただし、エンディングノートは「自分の死後、何をどのようにして欲しいかを家族に託す」ものなので、法的効力はありません。
しっかりとした意思表示をしたいなら、「遺言書」を作成しておくといいでしょう。
終活ノートとエンディングノート・遺言書の違い ⇒
2.葬儀
葬儀内容を自分でプロディースしておくと、費用が抑えられたり、進行がスムーズになったりと、家族の負担が減らせます。
そもそも、スタンダードな一般葬での費用相場は180~200万もかかり、香典で賄いきれない場合が多いのです。
宗教や宗派、地域で葬儀内容が決まっていても、事前に打ち合わせしておくことで葬儀費用は抑えられることがります。
棺はシンプルでいいから骨壺のグレードは上げたい
家族だけで見送って欲しい
葬儀はホワイトカラーで統一したい
といった希望を出しておくのがおすすめです。
葬儀の種類自体も多様化している今、本当に自分の望む旅立ちは自分で決める時代です。
無駄な出費を抑えながら、家族に負担をかけずに式を行いましょう。
「終活」葬儀の種類と費用|自分で葬儀を決めると安くなる!? ⇒
3.お墓
お墓も葬儀と同じように多様化しています。
今までは、お墓にお骨を納めるのが当たり前でしたが、核家族化が進み家族形態が変化しているので「お墓を継ぐ」ということが難しくなってきました。
■ 「マンション墓」ロッカータイプのお墓
■ 「永代供養墓」 お寺や宗教団体に永代供養を任せる
■ 「自然葬 / 散骨」 お骨を灰化させて海・宇宙などに撒く
このほかにも、小さなお地蔵様やペンダントにお骨を埋め込み、常に触れながら供養ができる「手元供養」などもあり、選択肢が多いのです。
もちろん、先祖から続くお墓に入ることもいいですね。
「死後のことは任せたよ」ではなく、最後の自分の住処は自分で決めておきましょう。
「終活」で行う葬儀の準備|3つのメリットと生前に依頼できる会社 ⇒